平成30年度のエンジョイ体験講座第一段は、佐賀ユーモア協会事務局長の音成日佐男さんを講師にお招きし、「江戸の笑いと文化」と題してご講演いただきました。
江戸時代の「礼節、親切、自然を敬う日本人」のこころ、そして言葉遊びが大好きだった庶民の文化には、ユーモアとコミュニケーションが豊富であったとのこと。
こういった背景には、寺子屋などの影響による日本人の識字率の高さがうかがえ、読み書きやそろばんの他、儒教の教えがあり、教養と倫理観をもったものであったとお話されました。
また江戸時代に京都の龍安寺に送られたとされる「知足の蹲踞(つくばい)」には、「吾唯足るを知る」という言葉が刻まれているとのことです。これは、際限なく求めるのではなく、自分にとって必要なもの、必要な量を知る。そしてその必要なもので満足することを知る、という意味で、この感覚が江戸時代のよさであり、他人をも思いやれる気風、そして誰にでも愛されるユーモアが生まれた理由だったのではないかというお話でした。
「吾唯足るを知る」