東善寺境内に一字一石の塔がある。正面には「大乗妙典一字一石」と刻してあり、裏面には「天明八年」とある。この年代は諸国大飢饉で飢えで亡くなる人が多く、この地方の豪族であった伊東氏は被災者慰霊のため、また病気退治のため建立された。同じ東善寺入り口近いに参道を挟んで建てられた二基の石造六地蔵【佐賀市重要文化財】がある。入り口から見て右側が1580年、左側が1588年に建てられた。形は上から宝珠・笠石・塔身・中台・竿石からできている。笠石は平面が六角形で、お地蔵さんをその下に六体彫り、竿石は二つからできている。構造的にみて整っており他に例を見ない豪壮な作りで、彫刻もすぐれ、六地蔵の代表的遺品として価値が高い。(西新庄【東善寺】)