「ひと 鍋島」
鍋島校区には、地域の住民が安全・快適に暮らせるために組織された自治会が20あります。その20の自治会を束ねる上部団体の鍋島校区自治会長会の会長がこの4月に交代しました。そこで今回は、前会長の飛石昇さんに2年間の活動を、新会長の大木夏雄さんにこれからの抱負を語っていただきました。(以下敬称略)
ーー飛石さん 、2年間の鍋島校区自治会長会会長のお役目お疲れ様でした。飛石さんは単位自治会(医大南)の会長でもいらっしゃったわけですが、その役目や仕事はどういうものでしょうか?
飛石:私が属する単位自治会「医大南」では、班の持ち回りで会長を出すことになっており、2年前に私が会長をお引き受けしました。仕事は多岐に及びますが、まずは町内の川掃除や敬老事業のような恒例行事を着実に実施することです。
ーーでは、鍋島校区自治会長会の会長としての仕事はどういうものですか?
鍋島校区を代表する校区自治会長として、まずは毎月、市が開催する連絡会議に出席します。そこで共有される市の情報を校区内のすべての自治会に報告するのが、重要な仕事です。いわば市と校区の自治会を繋ぐという役目がまずあります。そのほか、市や県が主催する研修や視察にも積極的に参加しました。特に自主防災の研修は2日間にわたる密度の濃いスケジュールで、非常時の自主防災の在り方や、自主防災組織の立ち上げや運営、さらに"共助"の意義をあらためて知るいい機会となりました。実は私の暮らす「医大南」には自主防災組織が無かったので、準備に4ヶ月ほどかけてなんとかR6年4月に発足することができました。
ーー飛石さんと大木さんは県に勤務されていたとお聞きしていますが、行政のご経験が自治会の仕事に役立った部分はありますか。
飛石:やはり行政的な考え方や組織を知っているので、何か調べごとや問い合わせなどに慣れているということはあるでしょう。また補助金の申請や交付の流れなどもわかっているので、そのへんの経験は活かせる部分はあると思います
大木:私はこの3月まで県庁に42年勤務しました。その3分の1の14~15年は福祉や医療、子育て支援の仕事をし、県社協にも3年間在籍しました。県社協にいたときは、佐賀県災害ボランティアセンターが立ち上がった時期で、会員の増員などに携わりました。これらの経験をこれから活かしていければと考えています。
ーー大木さんは自治会の仕事は初めてと伺っていますが、今回はどのような経緯で自治会長になられたのでしょうか。
大木:自治会長の担い手が決まらない中でお誘いをうけたのがきっかけです。私自身、鍋島は生まれ育った街であり、これまで地域の自治会長さんなどが汗を流しておられる姿も見てきました。今回お声をかけていただいたので 、退職をきっかけに何かお役にたてればとの思いで引き受けました。
ーー今どのようなことをされているのですか?
大木:飛石さんの後を受け1ヶ月経ちますが、まずは「医大南」の自治会長として、また鍋島校区の自治会長会会長として、これまでの書類を読み込み、日々の実務をこなしている状況です。各自治会への情報伝達が一つの役目であるため、私から自治会の役員へ、また各自治会長から班長へ伝えていただくことを、わかりやすく簡潔に紙にまとめる必要があり、目下これに取り組んでいます。また、自治会には施設(ごみステーション、防犯灯、倉庫など)の維持管理などハード面の任務がありますが、安全・安心な地域を維持するための人と人との交流の機会を作るソフト面の充実も必要だと感じています。
ーー飛石さんは、2年間自治会長会の会長を務められましたが、今思うことはどういったことでしょうか。
飛石:鍋島校区の自治会加入世帯数は全世帯の6割程度です。自治会に加入されない方の中には、自治会に入るメリットがわからないと言われる方がいらっしゃいます。こうした方々には、やはり地域がどういう人達の活動や協力で維持されているのかを知って頂く必要がありますし、一方、自治会側もその活動をもっと知って頂く努力をする必要もあると考えています。実際、ゴミステーションの維持や清掃、街灯の修繕や安心・安全の 呼びかけなど、有形無形に自治会があってこそ街が維持されていることを是非知っていただきたいと思います。何かあったときの"ご近所様"的な日頃の付き合いが大切なことも知っていただきたいですし、特に非常時に重要になってくる"自主防災"への理解も深めていただきたいです。
ーー今年1年の抱負や、何か特にやりたいことなどあれば教えてください。
大木:医大南では、独自の"自治会だより"が作られており、毎月、班を通じて回覧されています。私もこれを引き継いでいきたいと思います。全校区の会長会で出た話や体育大会などにおけるわが自治会の健闘ぶりなど、伝言や付記をつけて書いて皆様にお知らせしたいと思っています。
飛石:行政が提供する補助金なども上手に利用して、自主防災組織や防災設備の充実を図ることも可能だと思います。この辺も各自治会長さんなども気に留めておいて頂くといいと思います。また一つの課題として高齢者が買い物に行くときの交通手段が無いというのが挙げられます。例えば春日北校区でやっているようなコミュニティバスの運行などを鍋島でも検討してもいいかもしれません。周りには二種免許を持っている人も結構いますし、それが自治会に入るきっかけになるかもしれません。
ーー本日は 貴重なお話ありがとうございました 。
聞き手:鍋島公民館館長 岸川いづみ
前会長の飛石昇さん 2年間、お疲れ様でした。
新会長の大木夏雄さん これから、よろしくおねがいします。