「ひと 鍋島」
今回は「佐賀市消防団 鍋島分団」分団長の木本充さんにお話を伺いました。(以下敬称略)
―― 「佐賀市消防団 鍋島分団」はどういう組織ですか。
木本:まず、時々誤解されるのが、「消防署」と「消防団」は異なるということです。前者は職業としての消防職員が24時間体制をとっている機関で"常備消防"と呼ばれます。一方我々のような消防団は、地域住民のボランティア的組織で"非常備消防"と呼ばれ、非常勤の地方公務員でもあります。地元で災害が発生するとすぐ駆け付けられるのが地域の消防団であり、災害の現場では消防職員の補佐的な役割を担います。
――そうすると、消防団員というのは自分の仕事を持ちながら入団されているということですね。
木本:そうです。団員は佐賀県や佐賀市からの"さがんメール"で防災や防犯のメールを受信し、可能な団員が現場にかけつけることになっています。
――通常の活動を教えてください。
木本:年間行事としては、1月の出初式ほか夏季訓練や、年末警戒で"火の用心"と呼びかけながら地域を回るなどがあります。他、ポンプや器具などの点検や整備を毎月2回ほど行います。ポンプについてはいざというときに迅速に対応できるよう操作方法も含めて定期的に確認しておく必要がありますから。
――やはり命に係わるような事態も想定し、日ごろの準備や訓練が大切ですね。
木本:その緊張感はいつも伴います。消防仲間とは信頼関係を築いておくことが必要です。
――最近出動した大きな災害はありますか。
木本:昨年6月に蛎久の飲食店で昼間に火災が発生した時は、まず当時の分団長からすぐ連絡があり出動しました。消防署も到着し約3時間後に鎮火しましたが、万が一残り火が再燃するなどのリスクを想定し、団員がしばらく現場に残り、完全撤退いたしました。
――仕事を持ちながら消防団員としての責務を担うのは結構大変ではないですか。
木本:私自身は地域の安全を守るという責任感から続けていますが、そこは仲間同士で助け合いながら可能な範囲で対応しています。実際我々が素早くかけつけたおかげで大きな火災にならずに済んだということも経験しているので、やはり無くてはならない組織だと思っています。
――木本さんは、どんな経緯で入団されたのですか。
木本さん:長年団員だった父が辞める時に、自然と私が後任として入団しました。19歳で入団してから25年経ちます。
――鍋島分団は何人の団員がいらっしゃいますか。
大木:現在約50名です。佐賀市全体では約3000人ですが、年々減少傾向にあります。3人一組体制で動くので、ある程度の人数が必要です。例えば消火活動の場合、格納庫からポンプやエンジンを運び出し、防火水槽または川から水を汲み上げて消火活動をします。15メートルくらいのホースを3~4本抱えて運ぶような仕事は一人ではできませんし、現場で連絡の役目を担う伝令係も必要です。
――人材不足ということですね。
大木:全国的にどこも減少している中、佐賀市はいいほうかもしれませんが、それでもかなり危機的な状況と言えます。以前は地域の若者が当然のように入団していたと思いますが、今はあまり無理をお願いできず苦しいですね。
――最後に今後の抱負をお聞かせください。
木本:容易な役目ではありませんが、訓練などを通して、上層部である佐賀市消防防災課や各地域の消防仲間と知り合いになれたことは私自身の大きな財産になっています。人とのふれあいを通して人としての成長にもつながり、入って良かったと思っています。今後は地域での仲間づくりと人の育成に力を入れていきたいと思っています。少しでもご興味のある方は是非ご連絡頂きたいですね。
―本日はお話ありがとうございました。 聞き手:鍋島公民館館長 岸川いづみ









