9月19日、歴史・伝統部会では、早津江津中早にある「明蓮寺」を訪問しました。浄土真宗本願寺派に属するこの寺院は、地域に根ざした信仰の場として、長年にわたり人々の心の拠り所となってきました。
当日は、昨日までの暑さが少し和らぎ、心地よい風が吹く穏やかなひと時。道中の田んぼでは、収穫を迎えた稲穂がたわわに実り、黄金色の波が風に揺れていました。川副の豊かな自然と農の営みを肌で感じながら、私たちは目的地へと向かいました。
明蓮寺の本堂では、樹下住職より、阿弥陀如来の慈悲にすべてを委ねるという浄土真宗の根本思想や、「他力本願」の意味について、私たちにも分かりやすくお話しいただきました。親鸞上人の教えにふれるひとときは、参加者一同の心に深く響き、静かな感動が広がりました。
帰路では、明治22年に川副郷一円の7ヵ村(北川副・新北・大詫間・中川副・南川副・西川副・福富)の協力により設置された「川副高等小学校」の跡地を訪れました。この学校は、当時の学生改革の流れの中で誕生し、地域の子どもたちに高等教育の機会を提供した、先進的な取り組みの象徴です。
現在、跡地には往時の面影は残っていませんが、参加者からは「ここが川副の学びの原点だったのですね」との声も聞かれ、地域の教育の歩みに対する理解がさらに深まりました