例年は5月から始まるこの講座、コロナ禍で延期となり、10/28(水)にようやくスタートを切ることができました。ただし、他の主催講座同様、感染症予防対策のため通常よりも人数を制限し、定員30名での開催です。
2020年現在、新型コロナウイルスが世界を席巻していますが、今から約130年前の明治20年代に、コレラが猛威を振るいました。もちろん異なる病気ではありますが、過去に起きた類似の事例を学ぶことがコロナ収束に向けてのヒントになるのではないかと思い、この講座を企画しました。
【元保健所勤務・臨床検査技師 平石 久仁博 氏】
【唐津市肥前町の増田神社】
【増田巡査の功績】
現代の日本で衛生行政を担うのは保健所ですが、当時は保健所というものが存在せず、警察が衛生行政を担っていたそうです。そのため、若くて体力のある増田巡査がクラスター発生地域に派遣され、防疫業務に従事したという背景がありました。
配布された資料に、明治15年(1882年)制定の「伝染病予防法」を抜粋したものが記載されていましたが、それを読んでみて、驚きました。今から約140年前に作られたものにも関わらず、所謂「三密」の回避、ソーシャルディスタンスの確保、消毒の徹底などを意味する文言が並んでいるのです。
つまり、感染症の拡大を防ぐためのノウハウは、明治時代の中頃には確立されていたと言えるでしょう。そう考えると、2020年現在のこの状況は、人類の驕り・慢心が招いた結果なのかもしれません。