令和3年11月30日(火)、今年度第4回目の学ばん場が開催されました。
今回のテーマは「黒田藩御典医を癒した江戸時代の古湯温泉」。
講師は佐賀県立図書館 前近世資料編さん室長の山口久範さんでした。
時は天保年間(1840年代初めころ)、黒田藩四十七万石のお殿様のお脈もとる御典医 上村米山が、福岡の自宅を出て筑紫野、神埼、川上の山峡を経て、道中の自然を満喫しながら古湯温泉に至り、旅館に滞在し湯治を行った。
その往復の道中と古湯の自然や風情を楽しみ、人々との交流を漢詩や水墨画でえがいたものが、古湯紀行詩巻として残されています。
講演では、古湯出身で県立図書館の前近世史料編さん室長の山口さんがこの巻物に出会い、読み解いていかれたいきさつ、水墨画に描かれている古湯に現在までの地図・写真を照らし合わせての解説、また漢詩でうたわれている当時の情景や人々の交流など、ていねいにお話しいただきました。
参加者アンケートでも、「江戸の風景画思い描ける内容」、「まだまだ続きが聞きたいお話」と熱い反応。
古湯の魅力再発見につながる、貴重な講演になりました。