発酵食品をテーマにした健康づくり講座を2月16日(火)、嘉瀬公民館で開催しました。
第1回となるこの日の講師は、西九州大学健康栄養学部教授の林真知子さん。大学では、微生物学、食品加工学、調理実習について教鞭をとられています。
講座ではまず、発酵食品の基礎知識と、健康と微生物との関わりについて詳細に説明していただきました。発酵食品とは微生物を利用して作った食品のことで、「発酵」と「腐敗」は同じ現象であるが、人間にとって都合がよい変化を「発酵」といい、そうでない場合を「腐敗」というとのこと。(米に付着した麹菌を顕微鏡でのぞく。びっしり付いた毛のようなものが確認できました。)
和食に欠かせない味噌や醤油は、原料の大豆に微生物を作用させ作ります。嘉瀬町でも生産が盛んな大豆は、牛肉とほぼ遜色ないほど栄養価が高いが、コレステロールを含まない。ただ、繊維が硬く消化吸収が悪いので納豆や豆腐、味噌などに加工して食するのは理にかなっているそうです。
醤油は早くから工業化された一方、味噌は「手前味噌」という言葉もあるように家庭などあちこちで作られていた。味噌は微生物の働きでうま味が増し、成分の一部が分解され消化吸収されやすくなる。不飽和脂肪酸や食物繊維などの成分の多くは味噌に残る。林先生いわく、「昔肉や魚をあまり食べなかった日本人が元気に過ごしてきたのは、味噌のおかげかも」
「健康のためによい」と一時話題になり、特定の食品がもてはやされる風潮はいかがなものか。健康のための心がけとして、『体重の増減、塩分控えめ、いろいろな食材をとること』の3点にぜひ気をつけてほしいと話されました。(参加者24人)
次回は3月3日(水)13:30からです。
今度は酢の話。酢も、微生物によって作られる発酵食品です。
主催:佐賀市立嘉瀬公民館、嘉瀬校区環境保健実践本部