嘉瀬町百景#11 佐嘉漁港

嘉瀬公民館

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嘉瀬町の南端にある、佐嘉漁港へ行ってきました。

海苔漁の最盛期ながら干潮の時間帯だったせいか、漁港には誰一人いませんでした。カモしかいなかった。


佐嘉漁港(1).jpg
この漁港は本庄江川河口にあり、地図で見ると有明海最奥部に位置します。以前は1キロ以上上流の港が使われていましたが、防潮水門が造られることに伴い約20年前に新しく整備され、嘉瀬町と西与賀町の漁業者が使用しています。この日は大小30隻あまりが停泊していました。

防潮水門の川上にある旧い港は、今は避難港として活用されているそうです。高潮警報が出た際には嘉瀬と西与賀の漁船が避難。さらには漁師さんの仲間同士連絡を取り合い、水門が閉まる前に広江や久保田の漁船が入港することもあるそう。

佐嘉漁港(2).jpg(有明海を望む。天気がよければ普賢岳が見えるはず)


佐賀県有明海漁協佐賀市支所の野田さんに、嘉瀬町の漁業についておしえてもらいました。

漁協組合.jpg

嘉瀬町で海苔漁を営むのは20世帯。全てが漁港近くの工場団地で海苔の加工を行っており、昨季の販売枚数は約5千万枚に上ります。しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響で令和2年5月頃から、コンビニのおにぎりの売上が減少するなど海苔の消費が低迷し、価格にも影響が。近年は上物の需要がある個人経営の寿司店も激減し、憂いているそう。

他の一次産業同様、後継者不足が課題とのことでした。




ところで野田さんの後ろにある出荷用のダンボール箱、テレビ番組に写り込んでいるのを見たことがある人もいるのでは。以前きいた話によると、テレビや映画の業界で美術や小道具を担当する人たちに重宝されているそうです。野田さんいわく「海苔を詰めて7段くらい重ねても大丈夫。特殊なつくりで、相当に頑丈です」。

思わぬ使われ方をしているものですが、佐賀のモノをよろこんで使ってもらっているのは嬉しいことです。書体もかっこいい。