【報告】 第4回 合同さが学講座「神様になった警察官」

諸富町公民館

諸富町公民館

日 付:令和5年11月29日(水曜日)

講 師:元保健所勤務・臨床検査技師 
                  平石 久仁博 さん

  さが学講座の第4回目が、諸富町・北川副公民館のオンラインによる合同形式で11月29日(水)に開催されました。

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    神様になった警察官とは、明治期に唐津市肥前町高串地区を襲ったコレラの防疫に懸命に尽くした増田敬太郎巡査のことです。
 コレラ防疫に選任された増田巡査は、衛生知識に乏しい高串地区の実情を目の当たりにして、一刻も早く患者と健康な人との接触を絶たなければならないと様々な対策を講じました。
 人の行き来を遮断するための交通規制を行い、健康者にも生水使用や鮮魚の生食禁止など厳しい指導をしました。コレラで亡くなった遺体の運搬、埋葬も自らされています。

   しかしながら、高串に赴任して三昼夜にわたって不眠不休でコレラ防疫に尽くした増田巡査は、自らがコレラに罹患し殉職してしまいます。
増田巡査は、死の直前「高串のコレラは私が背負っていくから安心してください。私の指導どおり予防対策を実行したらこの悪病は退散します」と言い残しています。

 増田巡査の遺言どおり高串地区のコレラは間もなく治まります。高串地区の人々は、増田巡査の献身的かつ壮烈なる功労に感謝し、遺骨の一部を見晴らしの良い秋葉神社の境内に埋葬しました。増田巡査と秋葉神社は合祀され増田神社となっています。

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    このように増田巡査は、現在、全国唯一の警察神として祀り上げられ、人々の心の中に尊ばれており、郷里の熊本県にも顕彰碑があります。

次回:12月12日(火)10:00〜11:30

演題:『佐賀の鉄道の歴史と未来』

講師:古賀 宏 さん(さが鉄道研究会会長)