10月24日(木)、佐賀城本丸歴史館副館長の古川英文さんをお迎えして、「副島種臣の書」と題して、ご講演いただきました。
副島種臣といえば、幕末維新期から明治初期に活躍した佐賀の七賢人の一人で、書家としても多くの作品を残し、その独創的な書が有名です。しかしながら、「ようわからん。」と言われることも多いとのこと。
今回は同じ時期に活躍した偉人の書も参考にしながら、その魅力について、お話をしていただきました。
○勝海舟・・・横にテンポよく流れるような筆致・・・機敏な人柄が表れているように感じる
○山岡鉄舟・・・腹で(力を込めて)書いてあり、線の太さが同じ・・・禅の修行のように書いているように感じる
○高橋泥舟・・・まっすぐに進むと言うよりは、所々止まっている・・・その折々に考えを深める人柄のように感じる
○西郷隆盛・・・豪快でびっしりと書き上げている・・・実直な感じがする
○鍋島直正・・・大小バラバラの字をバランスよくまとめている・・・リーダーとしての資質を感じる
など、書(文字)から受ける印象は人によっても違うと思いますが、それぞれに個性があり、「字は人なり」と、昔は字をみたら誰の筆跡かわかると言われていたそうです。また、年齢などに合わせて字体を自分にふさわしい形に変えていったというところに大変興味が沸きました。
副島種臣の字は晩年にかけて、さらに抽象的に変化していましたが、書(字)も、絵画も、そこから受け取るパワーがきっと見る人を魅了するのだろうと感じました。