8月25日(木) 第1回新栄さが学講座を開催しました。
金子信二さん(郷土歴史研究家)に講演していただきました。
地域に根ざして民衆に歌い継がれてきた民謡は、主に口伝えで伝承されてきました。誰が作ったでもなく、自然に生まれた歌を自分たちでうたったのが民謡ということで、地方の方言や民俗があらわれています。内容は、田植え歌など日々の労働の中で出来上がったものや、祝い歌など祝儀の席で歌われるものがあり、種類はきわめて豊富です。
戦後は産業の機械化により、生活が大きく変容したことで、民謡はほとんど歌われなくなりました。講座で聞かせていただいた音源は、郷土歴史研究家の福岡博氏が、昭和40年代に長年かけて各地を回り、歌を覚えている高齢の方々に協力してもらい、録音されたものです。受講者の中には曲を聞きながら思わず口ずさむ方もいて、昔を懐かしむ講座という色合いが濃かったかもしれません。しかし、民謡の独特の節回しや拍子の取り方には日本特有のものがあり、その素朴な味わいを感じる源は、日本人だからこそわかる感性にあるような気がします。グローバル化が進む中にあっても、この日本人としての共通感覚は大切にしていきたいものです。
講師の金子信二さん