東与賀公民館長のコラム④「当たり前のことをやっただけ」

東与賀公民館

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東与賀公民館長のコラム④ (令和3年1月15日(金)佐賀新聞「オピニオン」のページに掲載されました)

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寒風「あなじ」が吹きすさぶ先日、施設内の安全・安心のために注意喚起を掲示したコーン・ポールを倒していたところ、陸上クラブの児童生徒さんが練習のために集まりかけていた。
2人の女の児童さんが、風で倒れていると判断し、風が強い中、二人で懸命に現状復帰にしてくれていた。その場に出くわした私が、「風が強いのでわざと倒していたよ」「大事な大事な気づき、ありがとう」と説明すると、「せっかく元に戻していたのに」との残念そうな声であった。
学校以外での善行を学校の先生方にもお知らせしたいとふと思い、「おふたりのお名前を教えて」と言うと、「なんで?」と。「学校にもあなた方の善い行いを伝えたい」と何回かキャッチボールし、また、周りの男の子たちが「はよう言わんかと」促してくれたが、頑として言ってくれなかった。
先生にはその時の状況をお伝えし、褒めておいてくださいとお願いしたところである。先生が「なんで名前を言わなかったの?」のと聞くと、「当たり前のことをやっただけ。それと全校生徒の中で放送されると恥ずかしいから」との理由であった。
「当たり前のことをやっただけ」の一言ではあるが、ひとくくりではかたづけられない含蓄のある言葉でもある。これまでの日ごろの私の経験からしても、児童・生徒さんの謙虚さ、思いやり、感謝の気持ちがにじみ出ていることがよくわかるのである。
ここで苦言を呈すようだが、失礼ながら大人の皆さん方も気づきがあれば、ぜひぜひ実践方お願いしたいところでもある。
今後、児童生徒さん方の気づきの心と善行が横展開し、拡大してくれれば心豊かな住みよいまちづくりにも功を奏するのではなかろうか。