東与賀公民館長のコラム⑦窓越しの「まなざし」

東与賀公民館

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(令和3年4月20日(火)佐賀新聞「オピニオン」のページに掲載されました)

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新年度がスタートして学校も企業も新入生・新入社員の誕生でもある。この1年間、通学路でもある拙宅前を、小学1年生の男児が黄色い帽子と制服を身に着けて、決まりきった時間、しかも数分も違わず登校していた。この児童も2年生に進級した。
児童の後ろには、いつも等間隔をおいて、縦1列になって、高学年のお姉ちゃんが見守るように付いている。時々は近所のお姉ちゃんも加わり、3人体制の登校であった。コロナ感染防止の基本動作である、マスク着用も徹底している。
季節、天候にかかわらず、雨でも、風でも、雪でも定刻である。このような光景は、おそらく校区どこのエリアでも見られるのではないだろうか。ただ、関心があるかないかである。窓越しからの「まなざし」だけでは失礼だと思い、4半期ごとに数回は庭先に出て、朝のあいさつと、気づきをひとこと添えたものだ。
この定刻の意味するところは、まずは、ご家族の皆さんの暖かい育成・支援であり、よくよく考えれば、ご家族の日常生活の根幹でもある。また、忘れてはならないのは自らを律する努力の証でもあり、さらにはお姉ちゃんの弟思いである。なんとも、ほのぼのとさせてもらった。
定刻に姿が見えないときは、「校区お知らせカレンダー」で学校行事等確認すると、休校であったり、代休であったりで、胸をなでおろしたものである。わが家の時間軸ともなっていた。
この児童はもちろん、進級された皆さんに「おめでとう」の一声を掛けたい。窓越しながら「まなざし」の機会を与えてくれたことに感謝したい。
少子高齢化の今、将来を担う貴重な児童・生徒さん、さらには新入社員さんが力強くスタートしたことは、なんと心強いことか。新年度も引き続き、こころと思いは見えないけど、こころづかいとおもいやりの"見える化"で、児童・生徒さんへのまなざしを継続していきたい。