東与賀公民館長のコラム⑱ごみ拾いの親子に感動

東与賀公民館

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(令和4年12月3日(土)佐賀新聞「オピニオン」のページに掲載されました)

 20221223143419-36abdeed35d1f401a61b601fadf775e806ffb4da.png先日、東与賀海岸の清掃活動に参加した。参加者は個人や家族連れ、各種団体とさまざまな顔ぶれで、環境保全に汗を流す中、ある親子のやり取りに感心させられることがあった。

 その親子は幼児と小学校低学年とみられる2人の子どもと参加していた。子どもが「何でごみを拾うの」と問いかけたところ、親は「ごみと一緒に暮らしたい?」と問いかけで返した。子どもは即座に「ごみは嫌だよ」と答えた。

 そこでやり取りが終わりかと思ったら、「この海岸は赤いシチメンソウや目に見えないたくさんの生き物がいて、植物も生き物も生活しやすくするためだよ」と丁寧な説明も付け加えられ、子どもたちも納得した様子だった。さらに「いつでも、どこでもごみや空き缶、ペットボトルのポイ捨ても駄目だよ」と念を押されたのである。
 
 「なぜ、ごみを拾うのか」の問いかけに始まった親子の会話。親は子どもたちの目線に合わせて中腰で話し、その熱心な説明と根気強さに共感、感動した。このような場面が親から子、そして、子どもたちから子どもたちへと伝えられれば、環境保全はもっと進むのではないかと希望がともる。

 私もこの親子に負けまいと、枯れたヨシの漂流物を一つ一つ拾った。さらにもう一つ驚いたことがあった。それは今回、清掃したエリアは自然ごみだけで、人工ごみが一つもなかったことだ。このような環境が広がること願うばかりである。