今回は、佐賀市文化財課の西田巌さんを講師にお迎えして巨勢川調整池内で発掘された約8000年前の縄文遺跡である東名遺跡についての講座でした。
東名遺跡は、居住地、墓地、貝塚、貯蔵施設など日本最古の重要な遺物や遺構などが出土していて、日本文化の起源を知るうえでも奇跡の発掘になります。講座では、実際の出土品を見たり触ったりしながら東名縄文人のくらしや文化を学びました。
発掘された人骨からは、筋肉や身長などの特徴を知ることができ縄文人の全国平均より少し「きゃしゃ」な体形だったそうです。現代人より足の筋肉が発達していたそうなので自然の中での暮らしの様子が想像できます。
東名遺跡の重要な特徴である貝塚や編みかごからは、食生活や豊かなものづくり文化を知ることができました。
また、ウンチの化石である糞石の中の寄生虫を調べると、どんな動物のものかわかるそうです。
今後もいろいろな研究が進み東名遺跡の謎が解き明かされるのが楽しみです。出土遺物は、保存処理が進められているそうですが、新しい展示室の建設も計画されているそうです。
東名縄文人が、この背振山系を走り回りながら暮らしていた豊かな縄文文化を感じ想像することができた楽しい講座でした。