巨勢の史跡等NO.3~元忠寺跡と山王社跡(げんちゅうじあと と さんのうしゃあと)

巨勢公民館

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≪ ようこそ、巨勢町の史跡、神社仏閣へ≫

 巨勢まちづくり協議会では、令和3年度、町内の史跡等のうち、説明文が読めない老朽化した案内パネルについては更新するとともに、これまでパネルが設置されていなかった史跡等には新たなパネルを設置し、これらパネルにはQRコードを載せて、この「つながる巨勢」のページをご覧いただけるようになります。また、今回パネルを更新しない史跡等についても、現地だけでなく「つながる巨勢」の中で掲載文章などをご覧いただくことができます。さらに、現地にパネルがなくても巨勢歴史マップ(令和3年発行)に載っている史跡等について、「つながる巨勢」の中で取り上げています。


≪「元忠寺跡と山王社跡」について~「巨勢歴史マップ」(令和3年発行)の説明文

 現在は私有地の竹藪ですが、江戸時代初期に天台宗の寺院が建立されました。本尊は不動明王、開基は如願上人です。当時は巨勢第一の寺であり、藩主の信仰も厚く、多くの参詣がありました。元忠寺の隣には山王社が建てられ、民衆の家内安全や五穀豊穣を祈るところでした。明治の神仏分離により、仁比山の山王社に合祀され、権現社が近くの私有地に移されました。明治時代、元忠寺には一時、御用扱い所が置かれ、地方行政の中心になったこともありましたが、のちに廃寺となってしまいました。現在、竹藪の中に住職の墓などが散在しています。


≪補足説明~「巨勢の歴史散歩」(平成元年発行)より引用

 元忠寺あとは持永三男氏宅北側にあって、安養山と号し比叡山派に属し、天台宗、本尊は大聖不動明王、智澄大師の作で如影上人元忠の開基、鎮守は熊野大権現であった。正親町天皇の永禄年中龍造寺豊後守家純の養子法印燈舜が中興し、そののち、元和4年高源院殿正真大師の御願にて、愛染明王の尊形と聖天の像を作って傍らに一堂を建立し、また、万治2年12月18日藩主鍋島光茂公の御願として、江府山王七社をここに勧請されたと言われている。                             元忠寺は当時巨勢第一の寺で、藩主の信仰厚く、たびたび参詣あって知行つきであったが、廃藩で知行没収となり寺運衰え、明治初年には十大区の御用取扱い所がおかれ地方行政の中心になったこともあるが、のち、廃寺となり今は竹林の中に住職の墓などが残っているだけである。元忠寺はかつては寺領七反五畝。墓地五畝十五歩、屋敷だけでも二反あったといわれその規模の大きさが想像されるが、屋敷はいま水田になっている。

 山王社あとは、元忠寺あとのとなりにあって今は水田になっている。山王社は明治になって神仏分離となって、仁比山の山王社に合祀されたという。仁比山神社誌中に「去る明治23年には鍋島直大公、その祖先累代の特別崇敬神社たる佐賀修理田村山王社を合祀せらるるを始めとして云々」とあるとおり近江國から山王社を勧請し、修理田山王社がはじまってから210年余で仁比山山王社に合祀と言える。

 持永幸次郎氏宅東の社の前の手洗い鉢には、熊野大権現と刻まれていて、権現社のものだったとされている。元忠寺のあとの東の道路の傍らに地蔵増があるが、この付近を裏木戸といって、東入り口ではなかったかと言われている。


≪「元忠寺跡と山王社跡」の動画≫ ➡ 史跡等データベース トップページ


≪巨勢町内の史跡等マップ≫


≪巨勢町の歴史探訪コース≫

*巨勢町西部の史跡等を回るコースです。

・しっかりコース(距離4.5㎞)

 ㉗巨勢公民館⇒①堂屋敷跡⇒②六地蔵 ⇒③元忠寺跡と山王社跡⇒④二木大明神(循誘校区)⇒⑤構口番所跡(循誘校区) ⇒⑥巨勢神社⇒㉗巨勢公民館

・こじんまりコース(距離2.8㎞)

 ㉗巨勢公民館⇒①堂屋敷跡⇒⑦高尾藤棚跡⇒⑧竈王院⇒⑨高尾お倉跡 ⇒⑩真崎照郷記念碑⇒⑥巨勢神社⇒⑪肥筑軌道高尾駅跡 ⇒⑫小児天満宮⇒㉗巨勢公民館

*巨勢町東部の史跡等を回るコースです。

・たっぷりコース(距離6.0㎞)

 ㉗巨勢公民館⇒㉑安福寺⇒㉒応永寺跡⇒㉓売茶翁記念碑㉔小田資光の墓⇒㉕八幡宮⇒㉖保食神社⇒⑲地蔵⇒⑰機械灌漑記念碑⇒⑱二十三夜尊⇒⑮大神宮⇒⑭戸次塚⇒㉗巨勢公民館

・じっくりコース(距離4.3㎞)

 ㉗巨勢公民館⇒⑬法専寺⇒⑭戸次塚⇒⑮大神宮⇒⑯柳原観音⇒⑰機械灌漑記念碑⑱二十三夜尊⇒⑲地蔵⇒⑳修理田神社(熊野権現社)⇒㉗巨勢公民館

・さしあたりコース(距離2.6㎞)

 ㉗巨勢公民館⇒⑬法専寺⇒⑭戸次塚⇒⑮大神宮⇒⑯柳原観音⇒㉗巨勢公民館


≪次の探訪先~コースに沿って≫

 *④二木大明神(しっかりコース) →二木大明神のページ

 


≪参考

 PDF→「巨勢町の歴史散歩」~巨勢町の移り変わり.pdf

 PDF→巨勢歴史マップその1.pdf 巨勢歴史マップその2.pdf