巨勢の史跡No.23《売茶翁記念碑》

巨勢公民館

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幼名は柴山菊泉、後に還俗し高遊外と名乗った龍津寺の僧、月海元昭(1675年~1763年)は57歳の時京都に上り、売茶翁と称し、鴨川支流二の橋に通仙亭を構え、売茶業を始めました。風光明媚な所で煎茶を売りながら禅を説き、世の中の出来事などを語って聞かせたので、たちまち人々の評判となりました。身分を区別せず茶代を払おうと払うまいと気にかけず、煎茶をふるまったといいます。売茶翁には風流を友とする独特の風格があり、池大雅や伊藤若冲、円山応挙、上田秋成、田能村竹田、渡辺崋山、富岡鉄斎など江戸時代の多くの文人たちから敬愛され、お茶売り姿の肖像画が数多く描かれました。中でも、伊藤若冲が描く売茶翁像は有名です。そして、煎茶が庶民の飲物として日本全国に広がるきっかけとなったのです。売茶翁は前茶の祖として、今でも多くの人に敬愛されています。

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