5月27日(木)、川副中学校で行われたピアノ演奏会の取材をしました。演奏者はリストの「ラ・カンパネラ」を弾きこなす川副町在住の海苔漁師徳永義昭さん(60歳)でした。
徳永さんは52歳の時に、世界的ピアニスト「フジコ・ヘミング」さんが演奏する「ラ・カンパネラ」を聴き、自分でも弾いてみたいという思いに駆られ、ピアノを始められたそうです。
ピアノ未経験で楽譜も読めない状態から毎日8時間の猛練習を重ね、約1年で「ラ・カンパネラ」を演奏できるようになったそうです。その後も9年間練習を続け、今年の4月16日、北九州市で行われたヘミングさんのコンサートにゲストとして出演し、「ラ・カンパネラ」を演奏されたことをお話されました。
(「ラ・カンパネラ」を演奏する徳永義昭さん)
徳永さんは、「ラ・カンパネラ」とXJAPANの「Forever Love」の2曲を演奏されました。川副中学校の生徒たちは真剣なまなざしで徳永さんを見つめ、無言で演奏を聴いていました。
(徳永さんの演奏を聴く、川副中学校の生徒)
演奏が終わった後、生徒から徳永さんに「好きなことが見つからないです。どうしたら良いですか。」という質問がありました。徳永さんは、「今はそのままで良いです。無理して探さず、自分がやりたいと思ったことを夢にして頑張ってください。将来、好きなことはきっと見つかります。」と自身の経験を振り返りながら、励ましの言葉をかけられました。
(生徒の質問に自身の経験を振り返りながら、励ましの言葉をかける徳永さん)
演奏会が終わった後、取材を受けた徳永さんは、「ほめられたら嬉しいです。嬉しいという気持ちが自分を ポジティブにしてくれます。」「目標は一人で頑張ることができますが、夢をかなえるためには、家族や友 だちの応援が必要です。」と答えられました。
徳永さんの話の要点は、大人が子どもに関わる時の大切な配慮点そのものだと思いました。
子どもたちの頑張っている姿には、「ありがとう」「よかったよ」などの褒めことばをかけることが大切で す。子どもは「自分がとった行動が大人に認められている」と受け止め、「できた・役に立った自分の存在」 を嬉しく思い、それが励みとなり、次の活動への意欲を高めることができます。
※写真は、掲載許可を取っています。 (子どもへのまなざし運動・若者支援推進室)