佐賀市からのお知らせ:

高木瀬ながら見守り活動「新春講演会」

 1月17日(土)高木瀬公民館で高木瀬ながら見守り活動「新春講演会」が開催され、約70名のながら見守り隊のみなさんが参加しました。講師は子どもへのまなざし運動の初代推進専門官でもある村岡 智彦さん。ジャケットの下には子どもへのまなざし運動の当時の緑色のポロシャツにまなざし運動の緑色の帽子をお召しになっていました。テーマは「親の背に見る人生の道しるべ~今、私たちは何か大切なことを忘れかけていませんか~」。活動の発起人である高木瀬まち協子ども見守り部会会長の山口さんは、はじめに「この活動は5年目を迎え、現在約260名の方々が参加してくれている。完全にボランティアであり、自分の都合のいい時にあちこちで活動してくださいということで制限も何もないが、みなさんによく頑張ってやってもらっている。『ながら見守り活動参加者のつどい』(7月)と講演会がこの活動の催し物。今日は講演をお聞きいただきたい」と話されました。

01 高木瀬まち協子ども見守り部会会長の山口さん.jpeg

高木瀬まち協子ども見守り部会の山口会長

02 講師の村岡さん.jpeg

講師の村岡 智彦さん

 村岡さんは佐賀市立小学校の校長先生等を務められ、嘉瀬小学校ボランティアネットワーク(通称KSVN)の立ち上げから顧問として23年間ご尽力されるなど、現在もボランティアで教育活動を続けられています。80歳を超えてまでまだ活動するのかと聞かれることもあるという村岡さんですが、その理由は兄弟の中で1人大学に行かせてもらう際、お母さまとの「教員になったら徹底的に子どもたちのことを救ってやりなさい」という約束を守っているからだそうです。講演は村岡さんの生い立ちから現在の子どもたちや社会の様子まで、時に笑いが起きる軽快なトークであっという間でした。「母の背」と書いたのは、村岡さんが過去のことを知りたいと尋ねても最後まで口を開かなかったお母さまの、人には言えないような辛い過去をずっと背負いながら生きた背中を見てきた経験から。貧しかった幼少期に一番辛かったのはものが食べられなかったことではなく、周りの目だったということもお話しされました。
 子どもの育みには「ひと、もの、こと」との十分なふれあいが大切で、その良い環境を大人が提供することで子どもの経験を高めるということ、そして教育は家庭、学校、世間のつながりが重要であることからまなざし運動がスタートしたとのことです。「子どもは大人の動きを見ている。高木瀬ながら見守り隊は、人間はお互いに助け合って生きていくんだというのを見せ、よい環境を提供している」とこの活動を労わられました。まなざし運動において「出番・役割・承認」が大事とお伝えしていますが、それは子どもも大人も同じだそうで、「この活動は本当に役に立っているのだろうか?と思うとだんだんと疲れてくる。「皆さんのおかげでとても助かった」などという何かしらのお褒めの場が大事。承認の作り方次第でもっと伸びるか衰退していくかが決まる。途中で承認を入れるのは大事。今日のような会や、お花見、学校で子どもたちと何かをする等、子どもたち、先生方、地域の方々がみんな成長するような催しが大事。何も承認がないとだんだん辛くなってくる。孤独感は心を病気にしていく」と承認することの大切さについて話されました。

03 道徳教育について話される村岡さん.jpeg

道徳教育について話される村岡さん

04 高木瀬小学校の橋口校長先生.jpeg

高木瀬小学校の橋口校長先生

 講演を聞かれた高木瀬小学校の橋口校長先生は「解剖学者の養老孟司さんと世界中でベストセラーの著者ジョナサン・ハイトさん(アメリカ/社会心理学者)が子どもたちは体験や失敗をたくさんして育てないといけないが、今は家の中で囲ってしまい原体験をしなくなっていてこれからの子どもたちが危ないと言われている話とまさに被った。本当だったら子育てをしているお父さんやお母さんを地域ごと取り囲んで、いっぱい体験させたり失敗させたりというのをもう少し前の世代は開かれていたのではと改めて思い、重なるところが多かった。高木瀬ながら見守り活動は令和5年度にまなざしキラリ大賞をもらったが、審査会で中村前教育長が選考理由について「まなざし運動はどこでも広がってやっているが、点ではなく面となって元気があるのはほかにない。高木瀬のモデルを佐賀市全体に広げていきたいのでキラリ大賞は高木瀬です」とおっしゃって、心からそう思った。数だけでなく、定期的につどいを開いて今どんなことに困っている?どんな良いことがありましたか?と、少しずつバージョンアップしていく力強さがすごいなと思っている。子どもたちは、低学年は地域の方見守ってくれてありがとうと言うが、高学年になると大人たちがつながっていく後ろ姿を見て、こういう高木瀬の一員に自分もなりたい、つながって地域を守れる大人になりたいと言う。それが子どもたちも見方がすごいと思う。後ろ姿を見ているという意味で言うと、~せんばよという教えではなくお母さまの後ろ姿を見て育たれた村岡先生と、高木瀬地域の方の生き様を見て育っている子どもたちと同じ構図だと思った。今日のお話で改めて高木瀬校区の良さを自覚したし、その中で校長職をさせてもらっていることに本当に心から感謝したいと思って話を伺っていた。本当にありがとうございました」と話されました。

 また、最後に高木瀬まち協子ども部会会長の山口さんから「私が考えているまなざしは、高木瀬校区自体が高木瀬一家。おじいちゃんおばあちゃんであり、親、子であるという、高木瀬校区全体を見て高木瀬一家だなと考えたら、どこの子も同じじゃないかなと。一人の子ども、一人の大人としてどう見ていくかということを考えていくといろんなまなざしができるのではないかなと思う。この活動をずっと続けたいので、いろいろみなさんに迷惑をかけるかもしれませんが、ぜひお友達等を誘って仲間に入っていただいて、活動できたらと思う。みなさんのお力をお借りして高木瀬一家がますます活気のある地域になるよう頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします」と改めて長期的な活動継続への意気込みと地域のみなさんへの協力を呼びかけられました。

 今回村岡さんのお話を聞いて、時代は変化していくけれど大切なことは変わらないということ、そしてそれをわかっているようで忘れかけていたことを改めて言語化して伝えていただき、拝聴できてありがたいと思いました。また、帰り際に自分が現在子どもへのまなざし運動の推進コーディネーターをしているとご挨拶させていただくと、「おう!あなた何かやってくれそうやんね、よか人に出会った。ありがとうね!」と言われ、何も実態を示していないにも関わらず無条件に承認いただいたようでとても嬉しい気持ちになり泣きながら帰りました。高木瀬のみなさんの地域をもっとよくしたいという思いと村岡さんにパワーをもらえた貴重な講演会でした。

佐賀市教育委員会社会教育課 
子どもへのまなざし運動・若者支援推進室
子どもへのまなざし運動推進コーディネーター 北村
~できる人ができる時にできる範囲で~
★子どもへのまなざし運動 推進中!★

  まなざしマーク.jpg